*[つれづれ]さあどう動く

今日は仕事が休みなので、車校で教習受けてます。教習が1時間おきにしか受けられないのではてブをチェックしてたら、以下のニュースが。

http://www.nhk.or.jp/news/t10015933191000.html
取次でも書店でもなく版元が株式取得というのがこのニュースのキモなんではないかと。
あまり経済のニュースに明るくないので、事実誤認があるかもしれませんが、筆頭株主になったら、これまで堂々巡りの議論のまま止まっていた、古書販売における著作権者への利益分配に動き出すのでしょうか。
実際、ブックオフのような所だと一冊の本を売ったときの利益率は新刊書店とは比べものにならないくらい高いと思うので(新刊書店はだいたい掛率75%前後、例えば一冊1000円の本のうち250円から経費やらを出してその残りがようやく利益ですから、どれだけ薄利多売構造かは…)、著作権者への利益分を確保するのは、カツカツな上に絶賛マーケット縮小中!な新刊書店に負担を求めるよりは手っ取り早いでしょう。
今回名前の出ている版元もかなり厳しい決算となっていますし。
ただ、問題はそうなった時に、きちんと作者本人に行き渡るかどうか。
出版社に利益がプールされるだけでは意味がないし、ただでさえ出版業界は契約書さえ交わさないような現代的でない商慣行が普通に存在しているのですから、きちんとしたルールを取りまとめた上で、最終的に個人事業主である(会社化している所もありますが、大半の作家はそうでしょう。サラリーマンである出版社の社員と違い、彼ら、彼女らは経済的なリスクは最終的に自分達でおわなければならないのですから)作家に利益が還元されるシステムであって欲しいと思います。音楽業界には悪名高いジャスラックがありますが、なんだかんだ言っても一応音楽使用料の分配の機能はあるわけで(中古売買に関してはジャスラックま関与出来てないでしょうし、こちらはこちらで問題山積でしょうが、とりあえずおいておきます)。
でも出版業界にはその統一ルールすらなく、契約に関しても作家の利益を重視するやり方があるわけでもなく、本来出版社に利益をもたらす存在のはずの作家が一番のリスクを背負っているという状況があると。
だからこそ雷句さんや佐藤秀峰さんの問題が表に出ているんですよね。
ジャスラックとはまた違う形で、利益の分配が出来るシステムが必要だと思います。難しいでしょうけど。
…以上はあくまでも仮定論にしか過ぎませんが、今の出版業界に、業界の人間を全て養っていけるだけの余力はもうないでしょうから、あとはせめて、コンテンツ産業の一角を担う企業としてのプライドを持ったアクションを、各出版社には起こしてほしいなあと思います。
ぶっちゃけ言えば、版元の都合で作家を食いつぶすなよと、それだけの事なんですが。