そして私の10月はこれで全部吹っ飛んだ

妖精国(アルフヘイム)の騎士 (1) (秋田文庫)

妖精国(アルフヘイム)の騎士 (1) (秋田文庫)

雑誌「プリンセスゴールド」での連載がついに完結するということで、
これまで読んでいなかった最近10巻分くらいまでも含めて文庫25冊+コミック3冊を一気読みしてしまいました。
なんかもー一日中マンガ読んでたし。ほぼ廃人状態だったんですが。

内容は「指輪物語」的世界観の中で展開されるファンタジーです。
主人公の少女が不幸をもたらすと伝えられている「光の剣」の持ち主である、という事から
彼女とその剣を巡って起きる戦いが描かれます。
…とむちゃくちゃ端折って言えばこんな感じ。何しろコミック全54巻なので勘弁してください。

実は1巻発売からほぼリアルタイムで読んでいて、45巻辺りから「あとは完結して一気読みしよう」と思っていた訳ですが、20年かかってようやくエンディングを見る事が出来たのは感慨深いです。

生粋の少女漫画雑誌で連載されていた萌え要素の欠片もない大長編ですが、内容としては古き良き週刊少女漫画(昔はマーガレットも週刊だったのですよ…って私が物心ついた時には隔週発売でしたが)的怒濤の展開だったのではないかと思います。
心理描写の深さというよりは、たたみかけるような物語性が売りの。

色々言われている作品ではあるんですが、まだファンタジーがごく少数派だった時代から一切妥協せずにファンタジーとしての表現を愚直に追求した、その志はもうちょっと評価されてもいいんじゃないだろうか、と思うんですがねえ。
いや、非常に読む人を選ぶ作品ですし、正直国と国の間の戦争の描写は甘いというか不可解な所が多いんですが、一気に読ませるこのテクニックは凄いなあと、素直に思ったですよ、はい。

ただ、今の時代のマンガに求められているものとは全く違う世界が展開されていると思いますし、
先日からあちこちのブログ上で言われている「川原泉問題」と同質のものを
この作品もはらんでいるのではないかと個人的には感じたりもするのですが、
とりあえず結末が見られて安心しました。

突っ込んでるとキリがないので、とりあえず今日はこの辺でやめとこう。