実在する彼女の被害と「非実在青少年」と。

以下はツイッターログをまとめた&加筆訂正分。

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そういや昨日、地元の新聞で高校教師が窃盗で捕まったという記事を読んだんですが、高校時代の教科担任の先生に名前が似てるんだよな…気のせいならいいんだけど。年齢も近いし。本人だったらやだなあ。
もともと先生という存在自体に一切幻想は抱いてませんが、こういう事件があるとますます不信感が。教員にはコンプライアンス研修必須にすればいいのに。ムラ社会には遵法精神が不要なの?田舎だから許されてきただけなんだろうなあ…。

から以下の流れへ

捕まったのはどうやら本当に高校の時の英語の先生のようで。
当時まだ若かったけど熱心な先生だった記憶が。新採用されてそんなに時間が経っていなかったようで、余裕のない感じではありましたが。
なんだろうなあ、このどうしようもない感じ。
彼は「同僚の家の合鍵を作って勝手に侵入する」という行為を抑制する事が出来ませんでした。
教員という地位は彼を抑止する倫理たり得なかったし、彼の内なる規範意識はその行為を禁忌だとしてブレーキをかけられなかった。その事が、とてもとても残念です。
人間には色々なタイプがいる、彼はそのような行為を是とする価値観を持ってしまった人間だった。
単純にそれだけの事なのかもしれません。ただ、彼は実在する同僚の様々な権利を侵害した。
その侵入された同僚の望まないことをしました。
そして犯罪は権利を侵害する者と侵害される者がいて成立します。
彼は逮捕され、現在は裁判に向けて色々な取調べを受けていると思われます。

現在、東京都の条例を巡って様々な議論があります。
非実在青少年」の作品内での残酷非道な扱いによって、権利を侵害されるのは誰でしょうか。
侵害される誰かにとって、この条例は権利の侵害を防ぐ又は侵害したことを罰するためにどの程度有益でしょうか。
そしてこの条例は、誰がどのように定義付けするのか不明な「青少年の健全な育成を疎外する」創作物を必要とする読者の読む権利、作者の書く権利を侵害してなお、絶対的に制定されるべきものでしょうか。
ゾーニングは必要だと思います。
ただ、一番必要なのは創作物のファンタジー性を判断できるようなメディアリテラシーの教育であり、セクシャルな事に関してはきちんとした知識を与える事なのではないでしょうか。
AVやコミックのようなでのやり方で全ての男性や女性がセックスの快感を得る訳ではないし、ゲイの人のセックスが同性愛を扱う作品と同じではない。
そして、現実にはありえないとわかった上で、現実にはないような創作物を必要とする人間がいる。
そういうものを必要とする人の価値観について、その善悪を決めるのは自分自身の価値観や良心であって欲しい。
周りが良い/悪いというからではなくて、自分はこう思うから良い/悪い、と言えるような教育を施す事で、自分の信念によって善悪を決めてほしい。
そして、その善し悪しを他人に向けて提示する事が認められる。それを提示することは、何人も妨害する事が出来ない。
それが表現の自由、だと思います。
そして、自分の善悪を決める過程で他人の善悪の価値観とせめぎあう事を知っていてほしい。
時には自分が他人の信念を侵しうるということを念頭に置いていて欲しい。
性的な表現は、特に個人の嗜好性の差が大きい分野です。
目に入れたくない人、見せるべきではない人(そもそもこれをどうカテゴライズするかという問題もありますが)には見えないようにする努力、というのはある程度必要かと思います。
表現する側にも、表現する事はそれだけで無謬の権利を持つものではない、という自制も内在化させておくべきだとも思います。
ただそれは、法に強制されて無理矢理持たされる性質のものではなく、表現者の内包する倫理観や良心から自然に自制がかかってゆくものであるのではないかな、と。

そもそも、創作物として表現されるものと、実際に被害を受ける人物がいるというのは、全く性質の違うものです。今回の「非実在青少年」問題はまずその前提条件自体に疑問を感じます。
そして法による強制(今回は都の条例なわけですが)は吟味なしに気軽に行われて良いものではない。
刑法における罪刑法定主義はその典型です。
(つーかいつも思うんですけど、日本の女性は16歳から結婚出来るのに、条例で18歳以上という縛りをかけることに誰も何も疑問を感じないんだろうか。私にはそっちの方が不思議なんですけど。結婚すれば一応成人扱いされる訳じゃん。日本の民法的には。まあこれは余談ですけど。)

今は警察署の中にいるであろう彼は、その行為に及ぶ時、何を考えていたのでしょうか。
彼に聞いてみたいような気もします。
「先生、教えて下さい」と生徒に言われたら、彼はどう答えるのでしょうね…。

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まとまりのつかない文章だなあ。また何か追加があればアップするかもしれません。