十年一昔とはいっても

1995年1月・神戸――「阪神大震災」下の精神科医たち

1995年1月・神戸――「阪神大震災」下の精神科医たち

震災から13年ということで、当時あちこちの新聞書評で取り上げられたこの本をどうしても再読したくなったのですが。

出版社在庫がないらしい、という事に愕然。

内容を言ってしまうと、統合失調症研究の第一人者である中井久夫氏の日記を中心として、神戸大学の医師や看護士たちが当時どのように行動したか、という事が多数綴られ、また震災直後の3月に出版されたという事で専門的ではあるのですが歴史的価値も高く、ノンフィクションとしても読み応えある内容の書籍です。この本の一年後に出版された続編は在庫があるようだったのですが、結局アマゾン経由で購入しました。

大抵の本は十年もすれば市場を流通
しなくなります。文庫になったにしても、残るのはほんの一部です。確かに本には旬があると思うのですが、やはり読みだい本が読みだい時に入手出来ないのは、余りに切ない。今でこそオンデマンドもありますが、時間もかかるし知名度もそんなに高くない。
一番良いのは電子書籍にするごとなんでしょうけど…。
絶版本の問い合わせを受けるたびに心が痛むのですが、何とかニーズに応えるうまい手がないもんですかねえ。
結局応えられないからお客さんが離れていくわけだし。一したっぱじゃどうしようもないからなあ。