新たな歴史マンガがまた一つ

チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)

実は惣領さんのマンガは遙か昔少女漫画を描いていた頃に読んだ事があるだけなのですが、
今回ちょっと気になったのでジャケ買いしてみました。
内容としてはルネサンス期のダークヒーロー(?)、チェーザレ・ボルジアとその周囲の人々を描くもののようです。
チェーザレというと何しろ塩野七生
バビロンまで何マイル? (白泉社文庫)

バビロンまで何マイル? (白泉社文庫)

の印象が強いので難しそうな感じですが、このマンガでは「アンジェロ」という狂言回しを入れ、またあえて学生時代から描くことで従来のイメージの払拭をはかろうとしているようです。

…というか。このアンジェロの存在、まるで80年代学園ラブコメ少女漫画に出てくる、典型的な
「ちょっとドジっこだけど実は鋭い感性を持ってて周りにカッコイイ男の子が集まってきちゃうの☆」
的少年なのが自分としてはツボでした。
今時こんなに周りの空気が読めない少女が主人公になる少女漫画は存在しないので(何しろ現実世界で過剰なまでの同調が求められてしまう昨今ですから)、昔からの少女漫画ファンにとっても注目すべき作品になるんではないかと思います。
男性には辛いかもしれないですけどねぇ…。
テンポはゆっくりですが画面構成は緻密で、それだけでも読むに値する作品です。
歴史ファンの方は是非一度どうぞ。私は続行決定。
ルクレツィアのエピソードはどういう風に描かれるんだろうか。
出来れば原書を読んでみたいのですが、まだ邦訳は出ていない様子。
…って講談社に踊らされてるんだろうか。