ぼちぼち読んでます

面白そうなマンガは沢山見かけるのに読む時間と気力が無くなっていくのが最大の問題なんですが。

本当は最新の「親バカ輪舞曲」を出したかったんですがはまぞうになかったので。
パタリロ!でおなじみ魔夜峰夫の実録家族エッセイ。
このくらいの年代の人には珍しく奥様ベタ褒めなのが面白いです。実際美人だしなあ。
気軽に読むにはうってつけの一冊。全編に散りばめられたギャグテイストのおかげでさくっと読めます。
しかし、人の子供ってなんでこんなに成長が早いんだろうなあ。

本編最終巻。あと1冊分くらいは続いて欲しかったような。ラストは話が駆け足だったのがちょっと残念です。アメリカでもうちょっと話を引っ張っても良かったんでは、とも思いますし。
もっとも、「エマ」自体がどちらかというと作品の雰囲気を楽しむものだと割り切ってしまえば、大団円にほっと出来るのも確か。細部にこそ神が宿るマンガの極北ですね。どちらかというと今後の読み切り番外編シリーズの方が楽しみな自分がいます。
いや、長期連載が初めての作家さんだという事を考えると、やはりこの完成度は只者ではないんですが。

シューストレミングキター!!
発酵食品というと一度は超えなければいけない壁(?)、世界でもっともクサイ缶詰ついに登場!実際に作者が実験台になったらしい半分ノンフィクションなその回のリアリティときたら…。
読んだだけで胸やけが。うっぷ。
いつの間にか酒作りに話がシフトしつつあるようですが、あっちこっちに話が脱線するこのとりとめなさが好きです。講談社営業様、うちの店に販促材下さい(笑)
なんかこう…面白さをうまく他の人に伝える自信がないんですね、このマンガについては。一度読んでみて!としか言いようがない。本屋泣かせのマンガです。

さて、この本、2006年ゆうきさらの大本命マンガです。
花とゆめ連載なんですがテイストがBLです。

…いや、そんな簡単な言葉で片付けるのは私の高尾ファンとしてのプライドが許さない(笑)
導入部のストーリーは、母親との関係でトラウマを持った男子高校生が、ある事情から大正時代の、若い頃の祖父の立場になってしまう。その祖父は旧制高校(もちろん男子校)に通っていて、そこには祖父に思いを寄せていた友人がいたのだった…という感じです。ものすごーく簡単にまとめてますけど。

ジャンルとしてはBLテイストなんだろう、と思います。…いや「摩利と新吾」の世界再び、という感じかなあ。旧制高校の生活がメインではないのですが。

ただ、もともと、高尾滋作品には「禁断の恋」あるいは「障壁がありながらも惹かれ合うふたり」という共通のテーマがあるように読み取る事ができます。
「ディアマイン」では小学生の男の子と女子高生の恋、「てるてる×少年」では身分の違う二人の恋。短編読み切りの中には少女が少女に寄せる想いというのもありましたし(余談ですが短編集スロップマンションにお帰り (花とゆめCOMICS)は泣けて泣けて仕方ない大傑作揃いです。こちらもオススメ)、もしかしたらいずれ男の子同士の話も、と予想していたのですが、この作品はもう予想の遙か上を行く萌えが!!
…というのは冗談で、実は高尾さんが描きたいのは通じそうで通じない想いなのかな、と思ってみたり。
友人が寄せる想いは、主人公にとってはあくまでも自分の祖父に対するものであって(しかも祖父はその友人に「友情しか抱けない」と正直に伝えている)、絶対叶わないその友人の想いの深さを知りつつ自らもやはり彼には恋愛感情は抱けないでいるというやるせなさが、ジャンルの枠を超えてこの作品を格調高いものにしているように思います。
いくつかの謎をはらみつつ展開する物語は、決して万人受けするわかりやすいものではないかもしれませんが、ハマる人は大いにハマるんではないかと思います。
摩利と新吾」を読んだ事のある方、比較対象として読んでみてはいかがですか?
もちろんBLや少女マンガが好きな方にもオススメです。