末次由紀パクリ問題

せっかくなので釣られてみる。昨日以前働いていた書店での私の後任担当と情報交換をしていたら、ちょうど昨日の午後回収の連絡FAXが講談社(?)から来てたという事なので。
ちなみに午前中に買い占めの問い合わせ電話が来たらしい。まあ間違いなくプレミアものになるだろうからなあ。それなりに漫画家暦も長いしそこそこファンもついていた作家でしたから。

で、個人的な見解を…と思ったんですが、ほぼ↓と同じだったのでリンク。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_9358.html#more
倫理的な問題と商業的な問題と法律的な問題はごっちゃにして語るべきではないと思うので、とりあえずここでは法律的な問題に関しては置いといて。

この件に関して一番わからないのは、何故講談社全作品を絶版にしたかという事です。
講談社作品の有名どころでは、「沈黙の艦隊」での写真トレスが実際に問題になった事がありますが、この時は出自を明らかにした(多分著作権料も支払ったのでしょう)のみで発行は続きました。
そういう情況を鑑みたとしても、全作品絶版の上連載打ち切りは相当厳しい。「たけし」の作家が買春で捕まった時の連載打ち切りと同じくらいセンセーショナルだし、漫画家の収入源が全くなくなる訳ですから、今後の生活どうするの? という問題もあるし。
やはり他に理由があるんでしょうかねえ…。

…ていうか、バガボンドの売上に比べたら少女マンガのマーケットなんて微々たるものという事なんだろうか、と邪推してみたくなります。
金田一少年」の時なんて自社発行のノベルズからのパクリの指摘が自社で書いているミステリ作家の日記サイトからなされても一切黙殺だったのに、何故この件に関してだけこれだけ厳しい処分をするんでしょう?

でも竹熊氏のコメントにあるように、講談社が向かうべきは個人ではなくてマンガ界が持つ構造的な問題ではないかと思うんですけどねえ。マンガを描いてもらって利益を得ている出版社が(道義的に問題ありまくりとはいえ)足斬りで済ませてしまって全く作家を守らないのでは、他の作家もやる気をなくすと思うんですが。
リアリティを持った作品にしようとするほど資料は欠かせない訳ですし、大概の漫画家は過酷なスケジュールに追われていますから、フォローすべきなのは出版社だと思いますが…特に著作権関係に関しては個人がやるより企業が交渉・管理した方が確実でしょうし。
ゼロから絵が描けるような漫画家はほんの一握りじゃないんでしょうか?