メゾン・ド・ヒミコ

オダギリジョーがゲイ役をやるから見てみよう!」という事で友人と観に行ってきました。
仮面ライダークウガ」で初めてオダギリ氏がドラマの世界に登場してから5年余り。久しぶりに見る演技は見るものに迫る、賞賛に値するものだったと思います。物語の骨格を支える存在感に、「ああ、遠い世界に行ってしまったものだなあ…」と改めて実感したひとときでした。
柴咲コウは…なんかごっついなあ…(笑)オダギリ氏と手の大きさが変わらないよ…でも良い演技だったと思います。今が旬の女優さんなのに大胆なキスシーンにトライしている思いきりの良さも含め。
実際にゲイの方たちを含む役者のみなさんにも確かな存在感があって、安心して見ていられたのですが……。

以下ネタバレにつき


…でも、脚本と演出にはちょっと疑問が。とくに主役2人が部屋を借りて、寝ようとするけど失敗するくだりは必要だったんでしょうか? ゲイだったら女性に欲情しないだろ!というツッコミをスクリーンに向けたい気分だったんですが。フィクションだから、では済まされない問題のような気がします。ゲイを題材にしておきながらゲイの方に対して物凄く失礼な事をしてるんじゃ?
彼がもともとバイだ、と最初に振っているならともかく。
まあ未遂に終わる訳ですが、なんか見せ場を作るための強引な盛り上げ方に思えて、正直ちょっと引いてしまったというか。物語の焦点がボケてしまったような気がするんですよ。
大島弓子の「つるばらつるばら」が根底にあるというなら、もっとしっかり見せて欲しかった気もします。大島漫画の視点はもっと残酷だと思うよ…?
基本的に日本映画は苦手な人間なんで、映画を観る時の作法に全く則らない鑑賞の仕方をしている人間の意見なのですが…。