[読書]透明な旅路と

透明な旅路と

透明な旅路と

「バッテリー」のあさのあつこの新刊。はじめての一般書。
「バッテリー」「NO.6」を読んでも感じていたんですが、あさのさんの文章は
ものすごく艶めかしいんですよね…児童書というリミッタを外したことで文体のエロス(変な表現だ…)が前面に押し出されています。
内容は罪を犯した冴えない男と、旅路の途中で出会った子供達との逃避行と、その幻想的な結末。
ストーリー的には順当な結末を迎えるとは思うのですが、男の辿る旅路の終点には心が揺さぶられました。
正直「バッテリー」の結末に釈然としないものを感じていた為、自分の中で
「え、一般書?どうなん?」と思ってた部分があったのですが、それを覆してくれました。
あさのさんにはもう児童書の縛りからは解放されて欲しいような気も。
いや、これまでも十分児童書の枠からはずれてますけど。
「NO.6」なんてどう考えても「バナナフィッシュ」だもんなあ。